HDPE(高密度ポリエチレン)
特長 | 注意点 |
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高密度ポリエチレン(HDPE)
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単位 |
ASTM 試験方法 |
高密度ポリエチレン |
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透明性 |
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透明~不透明 |
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比重 |
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D792 |
0.95~0.97 |
引張強さ | MPa |
D638 |
23~31 |
破断時伸び | % |
D638 |
10~1200 |
引張弾性率 | MPa |
D638 |
1070~1090 |
圧縮強さ | MPa |
D695 |
19~25 |
曲げ強さ | MPa |
D790 |
- |
衝撃強さ アイゾットノッチ | J/m |
D256 |
22~216 |
硬さ ロックウェル |
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D785 |
- |
硬さ ショア |
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D2583 |
D66~73 |
線膨張率 | ×10-5/℃ |
D696 |
5.9~11 |
荷重撓み温度1.80MPa | ℃ |
D648 |
53 |
耐熱温度(連続) | ℃ |
- |
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体積抵抗率 | Ω・cm |
D257 |
>1016 |
絶縁破壊強さ | kV/mm |
D149 |
18~20 |
誘電率 | 106Hz |
D150 |
2.3~2.4 |
耐アーク性 | sec |
D495 |
- |
吸水率(24h) | 重量% |
D570 |
<0.01 |
燃焼性 | mm/min |
D635 |
645~671 |
耐酸・耐アルカリ性 |
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D543 |
酸化性酸に侵される |
耐溶剤性 |
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D543 |
80℃以下では耐える |
HDPEに関するQ&A
- 高密度ポリエチレンに印刷することは出来ますか?
- 高密度ポリエチレンは表面張力が低いため、そのままの状態では接着・印刷を行うことは出来ません。接着・印刷を行う際はぬれ性(ぬれ張力)を向上させる為にコロナ放電処理や火炎処理等で表面改質を行う必要があります。
- 高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンは具体的にどの様に違うのですか?
- 高密度ポリエチレン(HDPE)は文字通り、密度が高く(比重が0.95~0.97)分子構造が1本の鎖のような構造をしているため、ポリエチレンとしては硬い素材になります。一方、低密度ポリエチレンは(LDPE)は密度が低く(比重が0.91~0.93)分子構造が多数枝分かれしたような構造で、高密度ポリエチレンに比べて柔らかな素材になります。低密度ポリエチレン(LDPE)は柔軟性を生かして主にフィルム材やシート材として使用され、ポリ袋や外装袋や容器類として利用されています。低密度ポリエチレン(LDPE)は弊社のような、切削加工業者で取り扱われることは滅多にありません。
- ポリバケツが起爆剤なんですか?
- 一昔前のポリエチレンを含むプラスチックなどの合成樹脂は高価だったため、一般に広く普及することはありませんでした。ところが、1957年にHDPEの利便性に目をつけたメーカーが、当時一般的だったブリキ製の20倍という価格でポリバケツの製造販売を開始しました。錆びず、カラフルで軽く、壊れにくく、耳障りな金属音を立てないポリバケツは市場で好意的に受け止められ、たらいなど他の家庭用品にも波及し、HDPEの国内需要を掘り起こすに至りました。そして、1958年には国内での工業生産が本格的に開始されました。
- ビールケースって便利ですよね。材質はなんですか?
- 正式にはビールクレートと呼び、HDPEでできています。1966年にそれまで一般的だった木材からの材料転換で誕生しました。当時はプラスチックに関する情報量も乏しいこともあり、飲料メーカーの求める対応年数(5年)を満足させることが出来るかどうかもわからない未知の船出でした。2年以上の耐久年数がわからない状況で、2年の使用を耐え抜き、5年の酷使にも耐え、10年が経過しても充分に使用に耐えうることがわかり、評価を確実なものにしていったという経緯があるそうです。