超高分子ポリエチレン
特長 | 注意点 |
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単位 |
ASTM 試験方法 |
超高分子量ポリエチレン |
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透明性 |
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半透明~不透明 |
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比重 |
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D792 |
0.94 |
引張強さ | MPa |
D638 |
38 |
破断時伸び | % |
D638 |
420~530 |
引張弾性率 | MPa |
D638 |
― |
圧縮強さ | MPa |
D695 |
― |
曲げ強さ | MPa |
D790 |
― |
衝撃強さ アイゾットノッチ | J/m |
D256 |
破壊せず |
硬さ ロックウェル |
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D785 |
R50 |
硬さ ショア |
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D2583 |
― |
線膨張率 | ×10-5/℃ |
D696 |
13 |
荷重撓み温度1.81MPa | ℃ |
D648 |
43~49 |
耐熱温度(連続) | ℃ |
-100~80 |
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体積抵抗率 | Ω・cm |
D257 |
>1016 |
絶縁破壊強さ | kV/mm |
D149 |
28 |
誘電率 | 106Hz |
D150 |
2.3 |
耐アーク性 | sec |
D495 |
― |
吸水率(24h) | 重量% |
D570 |
<0.01 |
燃焼性 | mm/min |
D635 |
ゆっくり燃える |
耐酸・耐アルカリ性 |
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D543 |
酸化性酸に侵される |
耐溶剤性 |
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D543 |
80℃以下では耐える |
【引用資料】「プラスチック読本」(2014)プラスチックス・エージ発行
- 反りやすい材料だと聞いたのですが、保管の際に注意することはありますか?
- 板状のものは反りやすい為、平置きにて保管します。弊社では極力ストックは持たずに、都度メーカーに発注し、なるべく早く完成品に近い形状にしておくよう心がけています。
- 普通のポリエチレンと何が違うのですか?
- 超高分子量ポリエチレン(Ultra High Molecular Weight Polyethylene-UHMWPE)は、通常2~30万の分子量を100~700万まで高めたポリエチレン樹脂です。熱可塑性樹脂に分類される合成樹脂でエンジニアリングプラスチックのひとつです。
- 超高分子ポリエチレンはポリカーボネートより強いと聞いたのですが・・・
- 超高分子ポリエチレンはポリカーボネート(PC)を凌ぐ非常に高い耐衝撃性を有しています。しかも、この耐衝撃性は低温から高温までの幅広い温度領域においても低下しないという特徴があります。
- 超高分子ポリエチレンは摩耗に強いのですか?
- 超高分子ポリエチレンは耐摩耗性に優れていて自己潤滑性も併せ持った素材です。砂を用いた摩擦試験でもフッ素樹脂やポリアセタール(POM)よりも優れています。
- 比重はどのくらいですか?
- 比重0.92 - 0.94です。物性表をご確認ください。
- 添加剤や充填材に利用されるそうですが本当ですか?
- そのままでは無理ですが、粉体として混合用材料に利用されています。耐摩耗性を向上させる用途では、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)や二硫化モリブデンよりもブレンド性やコストパフォーマンスに優れています。
- ポリカーボネートのように特殊な用途に使用されることはないのですか?
- 超高分子ポリエチレンは糸状に成形すると非常に強靭な繊維にすることができます。同じ重量で比較した場合にピアノ線の8倍に相当する強度を有するため、船舶用や登山・レジャー用ロープなどに用いられています。また、アメリカ海兵隊が研究中の戦闘用ヘルメットにも超高分子ポリエチレンが使用されているそうです。