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POM(ポリアセタール)

特長 注意点
  • 機械的強度に優れる
  • 摺動性に優れる
  • 寸法安定性に優れる
  • 電気的特性に優れる
  • 吸水率が小さい
  • 低温での使用が可能
  • 耐薬品性に優れる

  • 透明性が無い
  • 強酸に侵される
  • 自己消化性に劣る
  • 耐候性に劣る
  • 接着性が無い
  •  
     

POMレーダーチャートPOM切削加工品POM製大型シリンジPOM製ハンドルPOMマシニング加工品POM旋盤加工品
  • POMナチュラルグレード
  • デルリン(ホモポリマー)
  • POM摺動グレード
  • POM帯電防止グレード









 

 

単位

ASTM

試験方法

ホモポリマー

コポリマー

ガラス繊維充填

30%

透明性

 

 

半透明~不透明

不透明

比重

 

D792

1.42

1.41

1.54~1.56

引張強さ

MPa

D638

67~69

59~67

破断時伸び

D638

25~75

40~75

12

引張弾性率

MPa

D638

3100~3600

2800~3200

6200

圧縮強さ

MPa

D695

108~125

110

125

曲げ強さ

MPa

D790

94~99

89

74

衝撃強さ アイゾットノッチ

J/m

D256

64~123

43~80

43~53

硬さ ロックウェル

 

D785

M92~94

M78~90

M90

硬さ ショア

 

D2583

線膨張率

×10-5/℃

D696

10.0~11.3

6.1~8.5

3.3~7.5

荷重撓み温度1.81MPa

D648

124~136

85~121

157

耐熱温度(連続)

 

85

95

体積抵抗率

Ω・cm

D257

1015

1014

1014

絶縁破壊強さ

kV/mm

D149

20(2.29t)

20(2.29t)

19(3.18t)

誘電率

106Hz

D150

3.7

3.7

4.0

耐アーク性

sec

D495

129

240(燃える)

136

吸水率(24h)

重量%

D570

0.25~0.40

0.20~0.22

0.25

燃焼性

mm/min

D635

655

655

655

耐酸・耐アルカリ性

 

D543

強酸・強アルカリに侵される

耐溶剤性

 

D543

耐える

【引用資料】「プラスチック読本」(2014)プラスチックス・エージ発行

  • POMを金属に圧着させていたら、金属に錆びが発生しましたが、なぜですか?
  • 弊社でもバイス等に長時間POMを固定しているとPOMと接触している部分が錆びることがあります。POMはホルムアルデヒドを含んでいる為、ホルムアルデヒドが蟻酸に変化して金属に錆びを発生させるという説や、POMは分子構造に酸素原子が多く含まれているため、接触している金属を酸化させ錆びの発生につながるという説もあります。いずれにせよ、POMと金属を圧着させる場合は防錆剤を塗布するなどの注意が必要なようです。

  • 送っていただいたPOM板材を切断していたら刺激臭がしましたが、なぜですか?
  • POMには微量ですがホルムアルデヒドが含まれている為、切断する際に発生した熱により樹脂が分解され、そのとき空気中にホルムアルデヒドが放出されるといわれています。ホルムアルデヒドは目鼻のどなどに対して強い刺激性と刺激臭があるので、そのことが原因と考えられています。因みに、一般的には0.08ppmあたりに臭いの検知閾値があるとされ、3ppmでは目や鼻に刺激が起こり、4~5ppmでは涙を流し呼吸器に不快感が生じる。31ppmあたりで重篤な症状が起こるという報告結果があります。切断の際は、換気に十分注意が必要です。

  • 機械部品として使用する材料なのですが、MCナイロンとPOMで悩んでいます。

    どの様に使い分けたらいいでしょうか?

  • MCナイロンのウィークポイントに吸水性があげられます。このことは機械的特性の変化や寸法精度に影響を与えてしまいます。POMはMCナイロンに比べ吸水性が低く、寸法安定性が良いので嵌めあい公差が必要な場合など有効と言えます。どちらも機械的強度や耐摩耗性に優れた素材ですが、比較的小さいサイズで、寸法精度が必要な部材であればPOMを、耐摩耗性やより強度を求められる場合はMCナイロンを、使用環境に照らし合わせて選択して下さい。

  • ジュラコンとデルリンって同じものですか?
  • デルリンはデュポン社,ジュラコンはポリプラスチックス社の商標名です。どちらも正式名称はポリアセタールで、略語がPOMです。デルリンはホモポリマー,ジュラコンはコポリマーになり、ホモポリマーの方が初期強度耐熱性は高いのですが、耐薬品性などはコポリマーの方が優れています。因みに、ジュラコンとデルリンをナチュラルカラー(白)で比較した場合ですが、ジュラコンのほうが若干黄ばんでいるように見えます。

  • POMは接着可能ですか?
  • POM(ポリアセタール)が接着可能と謳っている接着剤もありますが、基本的には仮止め程度の強度しか期待できないとお考え下さい。ボルトでの締結方法をお勧めします。

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